2024.08.08

 

 融合研究戦略 2024年度第2回 研究会

 太陽系年代学の進展と放射線環境変動研究との融合

 


 2024年度の宇宙地球環境研究所(ISEE)の融合研究戦略課題採択テーマのひとつである「太陽系年代学の進展と放射線環境変動研究との融合」では、分野融合を目指した研究会を開催しています。

 

 第2回研究会では、京都大学白眉センターの行方宏介先生にお越しいただき、若い太陽型星の恒星風やフレア/コロナ質量放出(CME)、紫外線放射などが年齢とともにどのように進化するか、そこから太陽圏の進化についてどのようなことが推定できるかについて御講演いただきます。御講演を踏まえて、太陽系年代学の研究と放射線環境変動の研究の接点を探し、議論を深めたいと思います。

 

日時:

2024年8月28日(水)13:30―16:00

 

会場:

研究所共用館Ⅱ2階221室(年代測定研究部セミナー室)

 

プログラム:
13:30―13:45 はじめに・研究会の趣旨(渡邊誠一郎 先生)         
13:45―15:15 若い太陽型星の恒星風やCMEから知る太陽圏進化 (行方宏介 先生)      
15:15―16:00 総合討論                  

 

講演要旨:
若い太陽は、原始惑星系円盤や原始地球の大気の消失、そして化学進化に影響を与えていた可能性がある。しかし、現在の太陽系に残された痕跡だけでは、過去の太陽の姿やその影響を完全に解明することはできない。太陽の代わりに、若い太陽型星を観測することは、40億年以上前の太陽の状態を知る手がかりを提供する。これまで、若い太陽型星が放射している定常的なX線や紫外線放射、そしてフレア頻度について多くの研究が行われてきた。恒星の磁気活動性は年齢(自転周期)に依存し、年齢(自転周期)に対するこれらの値は定量的によく決まりつつある。しかし、惑星を取り巻くプラズマ環境である「恒星圏」の観測は難しく、その調査はまだ十分に進んでおらず、不定性も大きい。本講演では、若い太陽型星を取り巻く恒星風やコロナ質量放出(CME)がどの程度観測されているか、今後どのような領域が明らかできるかについて紹介する。特に近年、我々の研究により初めて若い太陽型星でのCMEの証拠が検出されたことを中心に話を展開する。これらの恒星観測が太陽系内の観測と今後どう結びついていけるかを議論できたら幸いである。

 

企画:
渡邊誠一郎・日高 洋・城野信一・橋口未奈子(環境学研究科)
加藤丈典・三好由純・岩井一正(宇宙地球環境研究所)

 

参加に関する詳細は、宇宙地球環境研究所 加藤(kato[at]nendai.nagoya-u.ac.jp)までお願いします。