成層圏・中間圏オゾンを中心とした大気環境変動研究の国際的な枠組みである"CHAMOS(Chemical Aeronomy in the Mesosphere and Ozone in the Stratosphere)"において、毎年開催されているワークショップが、2024年10月28日から11月1日まで、名古屋大学宇宙地球環境研究所の主催によりISEEを会場に行われました。
フィンランドのオウル大学ソダンキュラ地球物理学観測所(SGO)およびフィンランド気象研究所(FMI)、ニュージーランドのオタゴ大学からの9名(うち2名はオンライン)と、ISEEの研究者および学生12名の合計21名が参加し、本ワークショップのメインテーマである宇宙からの高エネルギー粒子の降り込みによる大気応答について議論しました。
特に、磁気圏・電離圏・中層大気の各領域における観測、磁気圏プラズマにおける波動粒子相互作用のモデル計算、大気中のイオン化学反応および力学・温度場に関する全球的シミュレーションなどの研究成果や進捗状況が報告されるとともに、それらを総合的に融合させて解釈するプロセスによって、中層・下層大気の応答現象の原因から結果までを理解することを試みました。
このワークショップのテーマは、ISEE融合研究プロジェクト「Energetic Particle Chain-高エネルギー荷電粒子降り込みが中層・下層大気に及ぼす影響-(PI: 中島 拓)」と密接に関連しており、ISEEで推進されている磁気圏観測衛星あらせ、電離圏観測レーダEISCAT・EISCAT_3Dとスペクトルリオメータ、そして成層圏・中間圏の大気微量成分を観測するミリ波ラジオメータによる多くの観測データが活用されています。現在、このワークショップの成果をもとにした論文が執筆されており、今後査読付きの国際論文誌に投稿される予定です。
関連情報
CHAMOSホームページ(https://chamos.fmi.fi/)