2026年度融合研究戦略課題「隕石観察による過去~現在の宇宙環境および太陽活動の変動の理解と暗黒物質の探索」に関連して、研究グループ内の研究者や、関連する研究者らの出席の下、以下のとおり研究会が開催されました。
日時:2026年10月29日(木)10:00 - 12:00
場所:名古屋大学 研究所共用館Ⅱ 221室(年代測定研究部セミナー室)
・挨拶・研究会の主旨の説明
名古屋大学大学院環境学研究科 准教授 橋口未奈子 先生

最初に課題代表者の名古屋大学大学院 環境学研究科 橋口未奈子先生より、2026年度融合研究戦略課題「隕石観察による過去~現在の宇宙環境および太陽活動の変動の理解と暗黒物質の探索」の採択経緯や主旨、進捗状況について、説明がありました。
現在、隕石中のかんらん石などの鉱物に残された粒子の飛跡をエッチング処理で可視化し、鉱物分析と組み合わせて評価する方法を検討しており、希土類元素の同位体組成や宇宙線照射履歴など、さまざまなアプローチから過去の宇宙線環境や太陽活動を読み解く可能性について、紹介されました。
・講演 「太陽恒星ダイナモ研究の概要」
名古屋大学宇宙地球環境研究所 総合解析研究部 教授 堀田英之 先生

続いて、名古屋大学 宇宙地球環境研究所 総合解析研究部 堀田英之先生から、太陽ダイナモ研究の歴史や概要、最新の研究動向についてご講演いただきました。
太陽では、大規模な磁気活動に伴って黒点数が約11年周期で増減することが知られていますが、その仕組みの解明は、太陽物理学における最も古い課題の一つとされています。この問題の解決を目指した、平均場・運動学的モデルと第一原理的熱対流モデルの特徴や課題を比較しながら、スーパーコンピュータ「富岳」を用いた研究成果などが紹介されました。
また、太陽の大規模磁気活動が転換点に近づいている可能性についても説明がありました。隕石に残された宇宙線の記録を活用して、過去の太陽活動の長期的な変動を明らかにし、太陽ダイナモの理解につなげる可能性について、それぞれの研究分野の立場から議論しました。
今後もこうした研究分野を超えた議論や情報交換を重ねながら、それぞれの専門性や研究手法を生かした連携を深め、融合研究を推進していきます。